大きな歴史に流され、抵抗し、虐げられ、翻弄されながらも、それでも毎日を生き抜く人々がいる。家族を、愛する人を大切にし、同時に敵を憎み、なおかつ見えない敵をさらに憎悪し続けている。武器を持って闘い続けたLMやボーミヤ氏もそんな人達である。ビルマでの取材を始めて12年。現場に入れば入るほど、分からないことばかりが増えてきた。写真を撮りながら、感じること、考えることが多すぎた。一つの国の歴史と対峙するには、そこで生活していないものにとっては負担が多すぎるようだ。生きている人間を相手にすると、その複雑さにめまいを覚える。
取材者としてビルマに関わっている立場から、自分自身はずっと第3者だと思っていた。
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ところが、10年以上ビルマに通い続けているのだから、他の人から見たら、ある意味で当事者になっているのかも。ビルマ国内の動きに一喜一憂している今は、案外そうなのかもしれない。1年以上に及ぶビルマ滞在を経て今考えるのは、一旦、ビルマを離れて、頭を冷やした方が良いのかな…。そんな風に思い始めた。
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