アジアに住んでいる者は、「アジア」といっても、その中に多様な国々が含まれていることを知っている。同じように、地球の全く反対側の「中米」「南米」と呼ばれる地域にも多くの違った国が存在する。しかし、国、地域は違えど、同じような生活を送っている人々が目の前にいる。ゴミに生活の糧を見いだす人々の姿である。
 それは、フィリピンでもネパールでも、あるいはニカラグアでもエルサルバドルでも同じである。共通点は「貧困」である。そこにいるのは、バスレロ(ゴミ捨て場)に住む以外に、他に生活の選択肢を持たない人々の姿である。経済発展の陰で、切り捨てられてきた人々の姿でもある。貧困を生み出す構造は全世界共通だ。
 私は、体中から噴き出す汗をぬぐい、カメラを構える。気温は35度を超えているだろう。


ところが、私の目の前で働いている人たちは、長袖のシャツ姿が多い。顔をタオルで覆い、厚手のジャンバーを身につけている子どもたちも大勢いる。ガラス片や劇薬、建築廃材や腐敗した野菜。何が捨てられているか分からない。危険物から身を守るためだ。
 中米での戦闘は96年のグアテマラ停戦で終わった。しかし、戦争の原因となった貧富の差は全く無くなっていない。


   


This site is developed and maintained by The Perth Express. A.C.N. 058 608 281
Copyright (c) The Perth Express. All Reserved.