4月13日、ビルマ軍がカレンの村へ入ってきた。迫害をおそれたカレン人たちは国境を越え、タイ側へ逃げて来た。数日後、ビルマ軍が村から撤退したと聞いた何人かが生活用品を取りにビルマ側へ戻り、地雷にやられた。Pもその一人だった。

 ビルマについてのニュースが流れるとき、それは現在の軍事政権に対し、非暴力の民主化運動を続けるアウンサンスーチー氏が話題の中心で、密林地帯で抵抗運動を続けている民族集団の存在に触れられることはあまりない。
 ビルマは人口の約7割をビルマ族が占める。

歴代の軍事政権が汎ビルマ主義を強引に押し進めようとするのに対し、辺境地帯に住んでいるカチン、カレン、チン、モン、シャン族などの「少数民族」の多くは、1940年代後末から武装闘争を続けてきた。しかし、ビルマ政府軍の圧倒的な物量と政治的駆け引きによって、それら民族の抵抗運動は消え去っていった。

   


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