「過去にあったことを認めない。歴史の証拠である私たちの存在を認めようとしないその日本政府の態度が許せない。それでは、私たちの過去はかえってこない」。金順徳さん、李玉仙はそう話す。
「韓国で、『慰安婦』として名乗り出る勇気は相当なものです。さらに、『水曜日集会』に参加すると家族に迷惑がかかったりする。それでもおばあさんたちが運動を続けるのは、自分たちだけのためではないのです。おばあさんたちの活動は、戦時中の被害者への補償や生活支援だけでなく、2度と自分たちが被った悲惨なことを起こしてはならないという、社会正義の代弁者にもなっています。
戦争を体験した当事者として、社会正義を求める、小さな声の代弁者となっています。
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韓国内にもいろいろと問題があります。だから、運動の先頭に立っています。かつて、モノ扱いされたおばあさんたちは今、やっと人間として、必要な存在者として認められていると感じています。祖国の未来を心配しているのです。今後、不正義の被害者を2度と出してはならないのです。それは、祖国と自分と、自分の家族のためなのです」。能光さんはそう説明する。
500回目「水曜日集会」に参加したおばあさんたちは昼食後、すぐに「ナヌムの家」に帰らなかった。その足で、日本の植民地支配に協力していた朝鮮人を追及する法律制定のためのデモに加わり、座り込みを続けた。おばあさんたちは日本政府だけを追及していたのではなく、韓国政府に対しても、追及の拳と声をあげていた。
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