「ナヌムの家」の院長、能光(ヌン=グアン)さんによると、金順徳さんは、典型的な韓国の「オモニ(おかあさん)」だそうだ。自ら進んで、苦労を引き受ける性格。洗濯機はあるが、使わない。足を洗った水も捨てずに便所の水として使う。倹約家でもある。
  「金順徳ハルモニを見ていると、生活力のある女性だと感じさせられます。もともと韓国の女性は、社会的に低い位置に置かれてきたので、環境が悪くとも、それに負けずに、自らの置かれた環境に適応しながら生活を続けていく、ねばり強さを備えています。家のため、子どものため、家族の生活のため、自分の人生を捨てるオモニの姿です。それが自分の人生をまっとうすること、そういう姿です。」

 「水曜日集会」にも積極的に参加しているのも金順徳さんである。500回目の記念集会に向かう途中、渋滞に巻き込まれて運転手がイライラしている時でも、「さあ、歌唄いましょう」と車の中を明るく盛り上げようと、手拍子を始めた。わざわざ持ってきた布袋の中には、お茶、ジュース、するめ、あめ玉、おにぎりが入っていた。道中の時間つぶしの心配までしている。 「ナヌムの家」にきた初日の夕食時、隣りに座った金順徳さんから「もっと食べなさい。遠慮しないでね」と声をかけられた。私は、少しでも早くその場に馴染みたくて「わかった」、と親しみを込めて返答した。すると、「“わかりました。”でしょ」と年長者に対しての言葉遣いを指摘された。

   


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