Vol.173/2012/6
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2002年3月の500回目の「水曜集会」 |
2011年12月の1,000回目の「水曜集会」 |
私は、不安を払拭しようと、宿泊することになった「ナヌムの家」に千田夏光が書いた従軍「慰安婦」の文庫本を数冊持ち込み、日中、ハルモニと時間を過ごし、夜になるとそれらの本を紐解いた。また、韓国・朝鮮の元「慰安婦」に関する資料にはできるだけ目を通すようにしていた。
私は、ハルモニたちの暮らしぶりを撮影しようと意気込んでいた。だが、やはり突然の闖入者である私のカメラを避けるハルモニも当然いた。
その一人が、姜日出(カン・イルチュル)ハルモニだった。あからさまに嫌という態度を見せなかったが、カメラを持つ私の姿を見るだけで、姜日出ハルモニは私の目の届かないところに身を置いていた。
結局、その時、姜日出ハルモニの写真は一枚も撮ることができなかった。
それから10年が経過した。私は、2002年3月以降、韓国には一度も足を踏み入れていなかった。そして2011年12月、「水曜集会」は1,000回目を迎えることになった。