Vol..148/2010/5
「表の仏教、裏のナッ神」

 もっとも、さすがに数年前から仕事に差し障りが出るようになって─「デジカメ」を使い始めたからバッテリーを充電しないと話にならない─最低限、時々、発電機を動かしてもらえる宿(ホテルではない)に移動することにした。
 
  そんなビルマに通い出して今年で18年目、計31回のビルマ訪問で取材を続けている。自分でも長すぎると思う。ちなみにビルマ観光といえば、まず寺院や仏塔を訪れることがメインとなる。
  移動制限の厳しいビルマにあって、お寺を巡る参拝旅行は、実は大目に見られている(地元の人も)。ビルマは日本と違い、厳しい戒律を守る上座仏教を信仰する国なので、ビルマの人のお郷自慢というと、まずは仏塔やお寺の話題が上がる。「どこどこのお寺には行ったか? どこの仏塔(パゴダ/パヤー)は訪れたか?」と。

 

  頻繁にビルマに通っている私も、パゴダや僧院は数え切れないほど訪れた。正直、見飽きたといっても過言ではない。だが、それでもパゴダ参拝をやめることができない。時に、ハッとする光景に出くわすからだ。例えば、今回の写真のような場面だ。
  ある時、老僧が小僧に何かを語っていた。虫の音しか聞こえないパゴダの入口で、2人っきりである。何だか、イイな、って思ってしまう。

   


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