Vol..147/2010/4
「黄色やら、赤やら、ピンクやら」

 私自身、タイを専門に取材しているわけではなので、これらの詳細を十分に把握している訳ではない。もっともタイには過去18年繰り返し訪れているので、否が応でもこの国の動きを目の当たりにし、社会の大まかな動向ぐらいはカバーしている。タクシン氏の在任中、タイ経済は貧富の差は広がりつつも、驚くほど進展した(ように私には思える)。経済的に国民全般的な底上げはあったのは確かである。
 「タイ北部チェンマイ出身のタクシン氏は首相在任中、北部や東北部の貧しい農村に手厚い補助金を出した。この恩恵を受けた農民や貧困層がタクシン派の主力で、経済成長の恩恵を受けてきた都市中間層や富裕層が主体の反タクシン派との対立には、<階級闘争>の側面がある。外交筋は<政府が対応を誤れば、タイは大きな混乱に陥りかねない>と懸念を深めている(毎日新聞)」。
 タイに30年近く住む知人に、タクシン氏の動向についてチラッと話を聞いたことがある。その知人によると「タクシン氏は、経済と政治の改革を推し進めながら自らの手法に自信をもち、やがてタイでは触れてはいけない事柄 ─王室─ のことにも手をつけようとしてしまったのだ。そこに彼の奢りと判断ミスがあり、国外に逃亡せざるを得なくなった」という。

 
バンコクで最大の商業地区を占拠した赤シャツデモは、自らも自警部隊を展開させる。そんな彼らの姿をバンコク市民が記念撮影する。

4月3日突然、バンコクの中心街の道路を占拠した赤シャツデモ。その情報を知らなかった外国人たちは、空港へ向かう車を手配できずに右往左往していた。
   


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