悲惨な極限状態にはいると、そこでは撮す側の人間性が出る。そのために私は自分のおかれている状況に苦悩する事もある。しかし、その苦悩が次の行動のバネとなることも多々ある。さらにまた、自分の撮る被写体を、自分の視点で追い続けることにも価値がある。自分の視点とは、時代を見る眼のことである。社会状況を分析する眼である。独自の判断が必要である。それは、自分を信じるしかない。ニュースにならなくても、マーケットに乗らなくても撮り続けなければならない眼である。

 現在、写真で何かを伝えるということは少なくなったようだ。ただ、カメラという機械で、その状況を切り取るだけ。写真にメッセージ性がなくなってきた。


現場に行って、自分の偏見と思想だけに合致する現象を写し込むだけ。または、編集部や雑誌の企画意図に従って動くだけ。そこには、写真家自信の新奇さオリジナリティーは排除される傾向にある。現場に入る前に考えられたルールや制作意図に従って写真は「作られる」。まるで映画を作るように・・・。

   


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