Vol..142/2009/11
「今、あえて『志(こころざし)』を」

 こういう話を聞いたことがある。  テレビの天気予報で台風情報を伝える際、東京を台風が通過した日の夜、全国放送のニュースキャスターが次のように発言した。
 「台風は去りましたが…」と。
 実際に台風は、東京を通り過ぎたまま北上し、北関東や東北に向かっていた。そのキャスターにとっては、自分の住む東京が生活空間の全てで、日本の他の地域に人が住んでいるのを普段から意識していないのを如実に表した。同じような例で、「東京に雪が降った」というニュースを「全国ニュース」に選ぶテレビのディレクターの意識も似たようなものである(そういうニュースは東京限定のローカル番組で流すものである)。

 今回集まった関西のメディア関係者は、その多くが小さなプロダクションに所属するか、或いはフリーランスの立場の者が多かった。東京の、それも大手メディアに所属していないからこそ発せられる意見があるということを意識して発言していた。  多様な意見を持ち続けること。しかも、それら異なる意見を発する環境を大切にするためにも、メディアの一極集中はできるだけ避けなければならない。それは「健全な社会」の維持のためにも必要なことなのだ、と。

 
ビルマ(ミャンマー)の旧首都ヤンゴン。民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チーを支持して街路に佇む国民民主連盟(NLD)党の人びと。この写真は自分でも見慣れているが、今回、写真を見直して改めて気付いた。彼らの手にするメッセージ板のいくつかは英語で記されている。一体それはどうしてなのだろうか。彼らの意図を読み取ると、やっぱり伝えることの大切さを痛感する。

   


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