Vol..136/2009/5
「遠くはなれたエルサルバドル」

 今年3月、南北のアメリカ大陸に挟まった中米地峡からニュースが流れてきた。中米と呼ばれるこの地域には、7つの国がひしめいている。その中で、最も国土が小さく人口密度が最も高いエルサルバドルという国で大統領選挙が行われたのだ。日本でも大手メディアだけが報じた小さな国際ニュースであった。だが、私にとって、フォトジャーナリストという仕事の出発点がこのエルサルバドルであっただけに、興味深くこの選挙結果を見守っていた。
 選挙の結果は、ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)から出馬した候補が勝利した。昨年末、現地に住む知人から、FMLN候補が勝つかも知れないという知らせを受け取っていた。それにしろ、実際、本当にそういう結果が出ると、やっと時代が変わったか、と感慨深かった。

 Asahi.com は次のように報じた。
 【サンサルバドル=堀内隆】中米エルサルバドルで15日、大統領選挙が行われ、左派野党ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)が推す元テレビ記者マウリシオ・フネス候補(49)が勝利した。FMLNの母体は、80年から12年続いたエルサルバドル内戦で政府軍と戦った反政府左翼ゲリラ。92年の和平後に合法政党に転換し、初めて政権を手にした。
 (中略)

 
1992年、当時の軍政とFMLNは停戦合意に達したが、お互い信頼できるまでには至らなかった。FMLNのゲリラたちは、山中で軍事演習を続けていた。
 


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