自分なりの解釈で「心でみる手法」とは、具体的にどういうことなのだろうか。どうすれば、見る写真を深めていくことができるだろうか。
例えば、前編の写真を例にとると、ビルマのイラワジ河で働く人びとや中米エルサルバドルの薪運びなど、多少の例外はあるだろうが、どうして男性は肩に荷物を担ぎ、女性は頭で運ぶのかということである。この男女の担ぎ方の違いがどうして生まれたのか。その理由は分からない。でも、何かあるようである。単に1枚の写真を見るだけでは、こんな疑問は浮かばない。2つの写真があってこそ、そのきっかけがある。だが、疑問は出るが、その答えは容易に分からない。
また、日本でもかつて、男は肩/女は頭という傾向が見られた。だが、時代の流れと共にこういう光景は少なくなってしまった。そういう生活を見かけなくなった今、運び方の違いに男女の差があったということも意識されなくなってしまっている。
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