Vol..131/2008/12
「最近、アルバムに写真を貼りましたか。」

 そう思いながら、新しいデジタル製品をウェブ上で探してみる。さすが日本はハイテク王国である。気がつけば、いつの間にか知らない間に、次々と新製品が市場に投入されている。その1つに、デジタルフォトフレームという電子機器が積極的に売り出されているのを知った。インターネット版の辞書『ウィキペディア』によると、「デジタルカメラの画像を表示できるようになっている写真立て」と定義されている。通常の写真立てなら写真は1枚が基本だが、このデジタルフォトフレームは、メモリーの容量によって画面が色々と切り替わる。そもそも欧米諸国と違って、写真をオフィスや家(の壁面)に飾る習慣のない日本で、このデジタルフォトフレームが流行るのかな、って思っていた。だが、大型の電気量販店でこのデジタルフォトフレームを見たとき、「おぉキレイ、カッコいい」と思ってしまった。次々と写真が切り替わるので、見栄えもいい。でも、なんか切り替わる写真もそのうち、きっと動画に置き換わるかも知れないと思ってしまう。
 で、そんなデジタルフレームの写真に、味気なさを感じてしまった。  どうしてなんだろう。

 仕事柄、毎年、多くの写真を撮っている。だが、ふと考えてみると、その中に「私写真」というのがほとんどない。友人と食事に行った時など、その場の飲み物や食べ物を撮影するくらいで、自分自身が写っている写真は数が極めて少ない。

   さらに、2004年以降の5年間は、フィルムで写真を撮ったことはなく、その全てがデジタル写真に置き換わってしまった。それ故、できあがりの写真も、基本的にはパソコンの画面で見るようになる。デジタルデータから写真をプリントするときは、色調節が簡単なブラウン管を使い、それ以外はずっと液晶画面を見ている。プリント写真を手にすることはほとんどない。特に、「デジカメ」で写真撮影を、人間の身体が処理できる以上に、大量に撮るようになってくると、撮影後の写真処理も、まあ、こんなモンでいいかなと、ちょっと投げやりなことになってきている。
 それにしても、いつの頃からだったろうか、個人の写真をプリントして、アルバムに収めなくなってしまったのは。
 それでも本格的に写真を始めた1990年代前半までは、手札サイズ(同時プリントのLサイズ:8.9cm×12.7cm)の写真を、見開きの簡易アルバムのプラスチックシートに差し込んでいた。そういえば、子どもの頃の写真といえば、アルバムの台紙に貼った写真こそが、写真であった。写真の大きさに合わせてアルバムの台紙に、小さな4つの「三角コーナー」を貼り、写真をその三角コーナーの四隅に差し込んでいた。アルバムをめくると、ページ毎に、新しい写真が現れる。どの写真をどんな順番で貼るか。それこそが写真であった。マウスや携帯電話のボタンをクリックするのではなく、身体を使った作業がそこにはあった。
   


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