Vol..129/2008/10
誰が貧乏くじを引くか

 毎夜、行きつけの食堂でご飯を終えた後、だいたい決まった食料品店で夜食を買い求める。20cmほどの長さのパウンドケーキで、700〜800Kほどの値段だ。1,000K札を出しておつりを受け取る際、カウンターに座っている女性は、私が外国人ということもあって、できるだけきれいなお札を返してくれようとする。それでも、時に手にするのは、今にもボロボロと崩れてしまいそうな汚れた紙幣だ。

 現地に住み始めて数週間ともなると、地元の人と同じようなバスに乗ったり、路上の屋台で食事をするにつれ、ボロボロの100K紙幣や200K紙幣ばかりが集まってくるようになる。それらのお札を見る度、ビルマの庶民の生活状態を否が応でも想像せざるを得ない。
 サイクロン前と後では、表面上はあまり変わりのないラングーン市内だが、よく観察してみると、下町のアノヤタ通りやボージョーアウンサン通りを東に歩くと、色とりどりのパラソルが目立つ。路上の屋台が急増しているのだ。会社勤めや公務員の月給は、それこそ50ドル前後だが、日銭の入る露天商や屋台は、1日の売り上げが5,000Kから20,000Kにもなることがある。税金や仕入れを差し引いても半分の儲けになる。とりあえず、現金収入でその日を生き抜くことができる。


 
まるで物乞いのように立つ僧侶。経済的に苦しい生活の続くビルマでは、世俗の暮らしとは無縁のはずのお坊さんさえ、その影響を受けている。

   


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