「身近な、他人事の戦争2」

 戦争が始まって1週間を過ぎる頃から、小さな黄色いリボンを家の扉につけたり、胸につけたりする人々が自然発生的に増えていた。全国的な規模だったらしい。それは無事に米兵が帰還する祈りを現す印であった。しかし、そんな現象には、どうして米兵がイラクで生死をかけて活動しているのか、という意味を表していないように感じた。自分たち近親者さえ大切にすればいい、内向きの平和・自由のシンボルのようであった。
 「戦争の大儀はいい、自分の身近な人が生きて帰ればそれだけでいい。だからこの戦争を支援するのだ」 そう感じられた。実際、交戦支持派の持っていたプラカードに象徴的な言葉があった。それは、彼らの立場を表していたし、また、それは戦争を反対している人に向けられた言葉でもあった。


'If you don't support the WAR, at leaset support the TROOPS.'
 (戦争に賛成しなくてもいいから、せめてわれわれの軍隊を支持してくれ)
 'We support the troops not the war.'
 (我々は軍を支援しているのであって、戦争を支持しているのではない)

 


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