何のための「戦争」か。そういう議論が本格的に起こる前に「湾岸戦争」は終わってしまった。小田実は、コリン・パウエル(多国籍軍・合州国軍の最高司令官)の著した『私の米国の旅』を引用して、この戦争を解説する ─ (パウエルは言う)過去のベトナム戦争は無意味だった。さらに過去米国が行った戦争は大抵が同じようなものだった。しかし、それでもこの世には、しなければならない戦争−「正義の戦争」があった。そういう戦争は、できる限り力を集中して短時間のうちに勝つべきだ。その例として、湾岸戦争があった。
 実際、イラクへの空爆が1月16日に始まり、2月24日には地上戦に突入した。26日にはクエートは解放され、
当時の米国ブッシュ大統領は28日に「停戦」を宣言した。「湾岸戦争」は事実上、約1ヶ月間で終わった。
 イラクとクエート間には、全く問題がなかったかのようにかつての国境線が引き直された。もちろん、イラクによる周辺諸国への脅威は依然として存在する。
 では、あのまま侵攻されたままのクエートを放置しておいてよかったのか。ここで、私はそういう議論をしているのではない。

   


This site is developed and maintained by The Perth Express. A.C.N. 058 608 281
Copyright (c) The Perth Express. All Reserved.