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 「それが、どうしてまだこの街にいることにつながるの?」
  「ああいう犯罪を犯している人間っていうのは、だいたい人を信じるようなことはしないんだよ。いつもどこかで怯えている気持ちを持っていて、絶えず自分の周りにまるで蜘蛛みたいに網を張り巡らしている。だから、知らない街になんてすぐ行けるわけが無いんだよ。」
  「じゃあ、向こうも今こっちの出方をうかがっているということになるの?」
 「まあ、MADISON次第なんじゃないか。おまえにはつらい話だろうが彼女がうまく取り入っているうちはオレ達も動きやすいってわけだ。」
 「ひとつ聞いてもいいかな?」
  「なんだよ。あらたまって。」
  「チャーリー、どうしてそんなにこのことに深入りしてくれるの?」

 

  チャーリーはその質問には答えずに立ちあがりました。
  「それで、今日の情報は3件だ。3件ともダブルベイのショッピングセンターで目撃されたものだ。どれもカープレートにSUSANと書かれた同じ車で40過ぎの女性とティーンネイジャーの女の子が乗っていたらしい。」
  ダブルベイはキングスクロスからすぐの高級店の建ち並ぶショッピング街でした。乗っていた人達といい、白昼買い物に使っていたことといい、カープレートのSUSANが対象外なのは間違いありませんでした。
  「とりあえず、SUSANについての報告はもう必要無いと言っておいたよ。それでいいんだろう?」
 出勤してきたお店の女の子たちがにぎやかに休憩室に入ってきました。