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第24話 「坊さん」

 1週間が過ぎようとしていました。表面は平静な日々が始まっているようにも見え始めていました。  MADISONは起きあがって部屋の中を歩き回ってみたり、キッチンで少し物を口にしてみたりと回復をはっきりと示していました。
 「MORIO、一人にして欲しいの。」
 きっと、彼女に向けられた観察するような目がいやだったのでしょう。僕はそう言われて、夕方から仕事に出掛けることに決めました。確かに今、彼女に必要なのは一人でくつろげる時間に違いなかったのです。
  「MORIOの部屋なのに追い出すみたいで、ごめんなさいね。」
  「いや、僕の部屋を選んでくれてうれしいよ」と答えながら急いで出かける支度を始めていると

   「帰ってきてくれる?」と不安そうな目を向けてきました。
 「いつもの掃除の仕事に行くだけだよ。それよりMADDIE、なにか欲しいものある?」
 僕がそう言った途端、目の前の彼女の瞳から、みるみる涙があふれてきました。まだ、完全にドラッグが抜けきれていないために感情の起伏が激しいのかもしれませんでした。