「見てるだけだったの?」
「なんだよ、おまえ最近“やなこと”言うようになったな。見てるだけの訳ねえだろうが。だからおまえには惜しいことしたって言ってやってるんじゃねえか。」
「わるいけど女はたくさんだよ。」
「このやろう、ジャンキーの姉ちゃん一人ぐらいで天下を取ったようなこと抜かしやがって。それで、例のプレゼントはもうくれてやったのかい?」
「プレゼント?」
「おまえ、ジェザにまだ会ってないのか?」
「ジェザ?」
「何とぼけてるんだよ。おまえ、ジェザに連絡するって言ってたじゃねえか。」
「悪いけどもう必要無いんだ。」
「まあ、なんでもいいけどよ。でも相変わらずあいつは手が早いよな。スウェーデンからすげえ女が来てたんだけど、結局ジェザが連れ出しちまったからな。」
「おい、チャーリー、じゃあジェザもあの晩ここに来てたのかい?」
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「ああ、すげえスポーツカーに乗ってな。」
チャーリーと話しているうちに、いつの間にか、またいやな気持ちに戻ってしまいました。
「なんだよMORIO、おまえ何怒ってんだよ?」
「いや、怒ってなんかいないよ。ただ、そんな世界には興味がないだけさ。」
「おまえのヤキモチなら分かるつもりだぜ。」
「チャーリー、まじめに聞いて欲しいんだけれども、ヤキモチなんて焼いてやしないって。ジェザがスウエーデンをどうしようが、ちっともうらやましくなんか無いんだよ。強がりじゃないんだ。そいつはきっと、本当に人を愛したことが無いだけなんだよ。だから、ハイエナみたいに女にたかったり、剥ぎ取ったりすることばっかリ繰り返しているんだよ。」
「なんだよMORIO、急に坊さんみたいなこと言い出しやがって。じゃあ聞くけど、おまえにはあるのかよ?その本当に人を愛するってことがよ。」
つづく
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