いい情報はと考えてみると、強がっている言葉とは裏腹にMADISONからの気持ちが伝わってくるようになってきたということです。あんなふうに口紅でメッセージを残してくれたりしていますが、それは彼女一流のテレをジョークを装って隠しているのであって、本当はもっと深いところで僕のことを考えてくれ始めているらしいことがわかるのです。
そういえば、僕はまだ彼女の年を知りません。いや、本当の名前すら知らないのです。でも、不思議に彼女の考えていることがみえるときがありました。彼女の抱えている痛みを感じるときがありました。そして自分という命が、それに応えたくて、すごい勢いで燃えているのを感じました。
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もしかしたら、昔、特攻機に乗りこんだ人達はこういう気持ちまで自分を高めることができたのかもしれないと思いました。もちろん、僕の場合なんかは惚れた女にヤクザの男がいたというような、神風パイロットの人達が聞いたら怒りだしてしまうような低次元の話なのかもしれませんが、ほんとうに好きなものに向かって命が燃え始めたとき、もう何も怖いものなんてない気がしてくるのも確かでした。
ふと、父の口癖を思い出しました。
「国家のことを忘れて、女のことばかり考えているフランス野郎みたいになったら、男もおしまいだ。」
「MADISONのために死ねたら本望だな」今の自分がそう思えることが誇りでした。
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