翌日の夕方から、僕はキャシーズに出勤しました。本当は出たくなかったのですが、自分から無理に頼んで働かせてもらえることになった手前、たとえ少しの間でも働かないわけにはいかないのでした。深夜の
1時を過ぎて一段落すると、チャーリーがバーカウンターから離れて、休憩室に顔を出しました。
「よお、相変わらず“シケたツラ”してるじゃねえかよ。どうだい、その後ジャンキーの姉ちゃんとはうまくいってるのかい?」
チャーリーが以前、僕には荷が重いと言っていた言葉が、今は説得力を持ってはっきりと思い出すことができました。「そんな女の話、止めてくれないか。」
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「おいおい、穏やかじゃないな。ま、その辺のことは今度ゆっくり話してもらうとしてだ。MORIO、ミミが会いたがってたぞ。」
「ミミ、まだここにいるのかい?」
「いや、先週でおしまいだ。男の残した借金を払い終えたんだよ。」
そう言いながらチャーリーはミミの連絡先が書いてあるらしい紙切れを、僕に手渡しました。
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