でも、翌日の夕方に言われた番地を尋ねてみると、フルーツパーラーなんてどこにもなく倉庫街のような所だったので、暗くなってこういう所にいたらそのうちどこかにさらわれるような気がして焦り始めていると、倉庫だと思っていたすぐ近くの自動ドアが急に開いて、奇麗な女の人に送られて男の人のグル−プが出て来るではありませんか。せっかちに歩き去って行こうとしたのでよく見ると日本人のサラリーマンに見えたので、思い切って「あの、この辺にフルーツパーラーありませんでしたか?」と尋ねると、
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顔を背けながら「そこじゃないの?」と言われたので、やっと見つけたと思って彼らの出て来た自動ドアの中に入っていきました。入り口の脇にカウンタ−があって、その中の中年の日に焼けたおばさんがものすごくフレンドリーに「ハロー、
ダーリン。あなたここは初めて?」と聞いてきた時、いくら鈍くさい自分でも昨日のオーナーの言っていたことといい、なぁんだそうだったのかとついに合点がいきました。言葉がわからないのにわかったふりをしていると、こういうことってしょっちゅう起こってしまうものです。
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