第6回「決断」
「山田は、練習参加だけでもできないだろうか?」
「話を通してみるが…、厳しいだろう」
「率直に?」
「コウジは、州リーグで1シーズンプレーをした。それでも声が掛からなかったということは、それが結果だと思う。我々は、コウジを観てきた」
遡ること3月22日、Inglewood Unitedの2012年リーグ開幕の壮行会で、グローリーの監督、Ian Ferguson氏が参会し、直接山田と話をしている。「今のクラブでがんばれば、きっと誰かが観ている。上(Aリーグ)にあがれるチャンスはある」の言葉が思い起こされる。あれから6ヶ月の月日が流れた。
2012年のシーズンは、終了した。Aリーグに最短と思われた“Inglewood United”というレールに乗った山田だったが、現時点ではグローリーのユニフォームに袖を通せてはいない。
しかしAリーグ、中でもグローリーでプレーしたいといった思いはぶれていない。12月9日の時点で、山田は監督の誘いを受け、黄色と青のInglewood Unitedのユニフォームを再び着ることになるのだろうか。決断が迫られている。
山田 孝次(Koji Yamada)
1981年12月22日生まれ。東京都町田市出身。2003年にルーマニアの1部チームとプロ契約を交わし、2006年に日本帰国後、ジェフユナイテッド市原・千葉アマチュアチーム(現ジェフユナイテッド市原・千葉リザーブズ)、FC琉球、カマタマーレ讃岐、エリース東京FCでプレー。2010年からはFCコラソン・プリンシパルに在籍していた。右利き、身長178㎝、体重68㎏。
今城 康雄
2005年のオーストラリア・プロサッカーリーグ、Aリーグの開幕以来、Aリーグ公式メディアとして取材を重ね、パース・グローリーのホームゲームでは同じく2005年の開幕戦から現在に至るまで記者席よりリポートを届けている。