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フォトジャーナリスト宇田有三氏による衝撃ルポ

On The Road by.Yuzo Uda
Vol.187/2013/08

「ビルマ(ミャンマー)の「ロヒンジャ問題」を手がかりにして(10)」



難民キャンプ横のため池で僅かに残った水を汲むロヒンジャ難民の女の子

難民キャンプ横のため池で僅かに残った水を汲むロヒンジャ難民の女の子。

 ビルマ(ミャンマー)と国境を接するバングラデシュ東部で取材を続けるうち、ビルマ軍事政権(当時)の迫害によってビルマから逃れたのは、ムスリム人のロヒンジャたちだけではないことに気づいた。ビルマの少数派民族のラカイン人が、コックスバザールにおよそ300人ほど暮らしていることが判明したからだ。彼らももちろん、軍政の迫害によって隣国バングラデシュに逃れ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)から難民として認められ、国連の正式な難民登録証を持っている。もっとも彼らは難民キャンプではなく、コックスバザールに暮らすラカイン人や仏教徒たちの共同体の一部にまじって暮らしている。そのせいか、難民としてはロヒンジャほど公に報道されていない。