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Check 06 血液検査(肝機能)について

慣れない環境だからこそ体調管理は大切になります。その際のメディカルチェック(医療検査)も臆さず受けたいところ。しかし、どんなチェックをされるのか…。日本との違いを参考に、オーストラリアのメディカルチェックを専門家が紹介します。第6回目は「血液検査(肝機能)」のメディカルチェックについてです。
 

血液検査(肝機能)について

今回は引き続き、健康診断などでよく検査される肝機能についてお話しします。肝臓は人間の臓器の中でも最も大きく、様々な働きをするとても大切な臓器です。主な働きは食物からの糖、たんぱく質、脂肪を貯蔵し、必要な時にエネルギーとして供給する、アルコールや薬、老廃物などの有害物質を分解して無毒化する、肝臓で作られた老廃物を流す胆汁の生成と分泌をする(胆汁は脂肪の消化に大切なものです)といった働きをします。

 

肝機能検査には様々なものがありますが、よく耳にする主な3つはこちらです。

●AST(GOT)
肝細胞に存在し、アミノ酸の生成に関係している酵素ですが、肝細胞が破壊されることにより血液中に漏れ出します。
●ALT(GPT)
やはりアミノ酸の生成に関係している酵素ですが、肝臓だけでなく、心臓や腎臓などにも存在するため、この数値だけの増減で肝臓の働きについて、必ずしも機能障害が生じているかどうかは限定できません。
●GGT(Γ-GTP)
たんぱく質を分解する酵素で、腎臓にもたくさん存在しています。これは特にアルコールに敏感に反応し、しかも肝臓や胆道の病気があると他の酵素より早く異常値を示す特徴があるので、主にアルコールによる肝機能障害の指標となります。

 


◆肝臓の優れた能力


肝臓は再生能力が強く、他の臓器たちと違い半分以上切除しても肝臓の機能が正常に保たれていればほとんどは元の大きさに戻ることができます。アルコールやウイルスが原因の肝炎や高コレステロール血症や肥満による脂肪肝により肝機能が悪化している場合、その時点で生活習慣の改善などによって対処すれば弱った肝臓はまだ再生できます。しかし、それを放置し、悪化すると肝臓の組織が繊維化してしまい、肝臓が効果縮小してしまう状態となり、これがいわゆる肝硬変です。肝硬変となってしまった肝臓はもう再生することができません。そして、肝硬変が長く続くと肝臓ガンの発生率が高くなります。

 


◆スタンダードドリンクとは


オーストラリアでは、ドクターが毎日摂取していいアルコールの量をアドバイスする時に Standard Drink (スタンダードドリンク)を使います。スタンダードドリンク1杯とは10グラムのアルコールを含むものです。健康な成人男女では1日スタンダードドリンク2杯まで(つまりアルコール20gまで)、そして週2日のアルコールなしの日を入れることが健康維持のために理想的だと言われます。参考までに、以下はスタンダードドリンク1杯の目安です。

  • ビール:1本(375ml)で3.5%のアルコールだと、スタンダードドリンク1杯
  • ビール:1本(375ml)で4.8%のアルコールだと、スタンダードドリンク1.4杯
  • 白ワイン:1グラス(100ml)で11.5%のアルコールだと、スタンダードドリンク0.9杯
  • 赤ワイン:1グラス(100ml)で13%のでアルコールだと、スタンダードドリンク1杯
  • スピリッツ(ジンやテキーラ)1ショット(30ml)で40%のアルコールだと、スタンダードドリンク1杯
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    年末年始、飲みすぎだと思われる方、“休肝日” つくりましょう!
     


     

    ご案内人 日本語医療センター マネージャー 千綿 真美さん

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