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【パースエクスプレス・マガジン】今月のなやみちゃん「クラミジア」


 
オーストラリアで生活することで日本では予期しなかったケガをしたり、病気になったりすることもありますよね。もちろん、そんな時は病院に駆け込むこともあるかと思いますが、英語の診察やカウンセリングで言葉の壁を感じたことのある方も少なくないはずです。このコーナーでは、パース在住の「なやみちゃん」の病気やけがを医師の診察の前に専門家が日本語でアドバイスを行います。

  私が日本語でご案内致します。
日本語医療センター/マネージャー 千綿 真美さん
〈日本語医療センター〉日本人通訳が常勤し、医師の診察を受けられる。また、海外旅行傷害保険でキャッシュレス・サービスも提供している。

 

 

ケース08 : 今月のなやみちゃん「クラミジア」

 

  なやみちゃん、今月は“どうなさいましたか?”具合が悪そうですが、お医者さんの診察の前にお話を聞きしましょう。

 

  別れた彼氏から電話があって、「病院に行くように」と言われました。「クラミジア」にかかっていたと言うんです。

 

  そうですか…。クラミジアとは何か、ご存知ですか?クラミジアは、性行為感染症(STI = Sexually Transmitted Infection) のひとつで、日本でもここオーストラリアでも、特に若い人たちの間での感染が年々増えています。クラミジアは、感染しても無症状で経過することが多く、約5人に1人しか症状が現れません。

 

  そうなんです、私も今のところ症状がないので…。

 

  今後現われるかもしれない症状として、女性ではおりものや下腹部痛、排尿時の違和感や痛み、不正出血など、男性では排尿時の痛みやペニス先端からの分泌物などがみられます。

 

  どのような治療が必要ですか?

 

  クラミジアは、一度感染すると薬で治療しない限り自然に良くなることはなく、放置すると女性では炎症が卵管から骨盤へと広がり、将来的に不妊の原因となることがあります。男性でも、尿道から前立腺または睾丸へ炎症が進む恐れがあります。

 

  どのように前の彼氏から感染したんですか?

 

  セックスによって性器から性器へ感染することがほとんどですが、オーラルセックスによって咽頭に感染、アナルセックスにより直腸に感染することもあります。感染率が非常に高く、感染が診断されたら過去のパートナー、現在のパートナー共に検査・治療を受けることが重要です。尿あるいはおりもの採取の検査によって診断ができ、治療は1回または1週間の抗生物質の服用でほぼ確実にできます。また、治療終了の2~4週間後に再検査を行い、完全にクラミジアが治療できていることを確認することが薦められます。

 

  わかりました。今後のことも考え、予防法はありますか?

 

  近年、避妊手段として避妊用ピルの積極的な服用をオーストラリアで始める日本人女性が多いようです。しかし、その裏で「ピルを飲んでいるから大丈夫」と性行為感染症予防のための正しいコンドーム使用に配慮が欠けたことから、今日の性行為感染症の流行の実態がうかがえます。性行為感染症は、コンドームの着用だけで大抵予防ができることをもっと皆さん、知るべきでしょうね。では、お医者さんの診断を受け、更にアドバイスをもらいましょう。

 

 
 

  では、なやみちゃん、通訳を致しますのでお医者さんに診てもらうため、一緒に診察室へ行きましょう。

 

【情報提供】
日本語医療センター
予約から診察、そして診察後のサポートも全て日本人スタッフが対応。医師の診察には日本人通訳が付き添い、日本語で安心して受診できる。海外旅行傷害保険加入者は医療費、通訳、薬や検査などの費用を全てキャッシュレスで受けられる(但し保険適応外ケースもあり)。

パース 日本語フリーダイヤル(予約):1800-777-313 
電話:08 9486 4733 
一般診察予約受付時間:月~金曜日8am~17pm 土曜日9am~12pm
住所:Level 1, 713 Hay St. Perth WA 6000 (Perth Medical Centre内) 
ウェブサイト:www.nihongoiryocentre.com.au







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