オーストラリアと日本をつなぐリンク・メディア『パースエクスプレス』

【パースエクスプレス・マガジン】第109回

月刊誌『パースエクスプレス』の人気連載コーナー。一般読者からの「主張したい」「心に秘めている」「吐露したい」投稿を連載しています。

今号は、日本での経験もふまえた投稿が寄せられました。

 

「一杯のコップには一杯の水」

 

流れる先にあるものは、みんな同じものだと思う。そこへ早く進むのか、それとも寄り道をしてゆっくり進むのか、それはその人次第。
 
例えば、お腹がすいて早く食べに行きたい。でも、そのお店への道中、自分が探していて、ほしかった靴が置いてありそうな服屋を発見して、立ち寄った。そうしたら、その服屋がセレクトショップで、服にも目移りして、気が付けば試着までしていた。
 
人気のホルモン屋のランチ定食を食べるはずが、服屋でたっぷり時間を使ってしまった。急いでそのホルモン屋に行ったら、ランチの営業が終了してて、お店にも入れなかった。前からこの街に来たら、そのホルモン屋の定食を食べることを決めていたのに。
 
でも、もうお店は閉まっちゃったんだからしょうがない。ここで、いつもだったら出直して、絶対にホルモン屋の定食を食べようと考えていたはず。しかし、よく考えてみる。いずれにしても、今は何かを食べなきゃならない。このまま何も食べずにはいられない。この後、どこかのお店でご飯を食べることになる。
 
それで見つけた2、3軒隣の、夜は居酒屋だけど、昼は定食を出しているお店。そこの焼肉定食を食べた。美味しいし、ボリュームもあって、値段も安い。大満足。あれ、ホルモン屋の定食のこと、すっかり忘れちゃってた。というか、わざわざそれを食べるため、また日を改めてこの街に来ようという気もなくなった。
 
つまり、流れ着いた先は“満腹”だったんだ。“おなかいっぱいになる”という流れの先をホルモンで満たすのか、焼肉になるのか、どちらでもよかったということ。
 
オーストラリアに来ても同じように考えている。行きつく先は恐らく、いっしょ。服屋に寄るのか本屋に寄るのかぐらいの違いで、結局は同じ何かに向かっているということ。一杯のコップには一杯分の水しか入らないし、それを抗って、多くの水を入れても零れるだけ。
 
どうせ行先は一緒なんだから、無理はしない。そんな感じで生きていけば、楽しさも増えるかなと思っている、今日この頃。

<投稿者>Let it go! 44歳 男性

 
 

【「あなたの言いたいこと」を募集しています】

主張したいこと、心に秘めていること、吐露したいことを投稿してみませんか??
応募方法:メール
  宛先:info@theperthexpress.com.au 又は下記のボタンを押して投稿フォームより。
  件名:『あなたの言いたいこと』係
  内容:名前、年齢、性別、電話番号、住所をお書きの上、ペンネームと『あなたの言いたいこと』を明記ください。

※文章の長さは問いません。※誹謗中傷など、不適切な表現の文章はお断りします。
※文章は、本誌編集部により選考及び掲載前に手直しさせて頂くことがあります。

 
 
“あなたの言いたいことへの投稿”はこちらから







関連記事

  • 【あなたの言いたいこと】 第127回「第126回『すきだけど、コロナ。』の続きです」

    あなたの言いたいこと
  • 【あなたの言いたいこと】 第126回「すきだけど、コロナ。」

    あなたの言いたいこと
  • 【パースエクスプレス・マガジン】第125回「人生一回」「世界一早く泳ぐこと」「パースエクスプレス」「新型コロナウイルス」「3.11」など

    あなたの言いたいこと
  • 【パースエクスプレス・マガジン】第124回「世の中うまくできている」「これ、マジの話」ほか

    あなたの言いたいこと
  • 【パースエクスプレス・マガジン】第123回「教えて下さい」「世間体の防波堤ではありません」ほか

    あなたの言いたいこと
  • 【パースエクスプレス・マガジン】第122回「『日本国産の日本仕様限定』を読んで」ほか

    あなたの言いたいこと