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2007年に開通予定のMandurah線は、全10駅が新しく作られる。終点のMandurah駅までは約48分で、これまでバスで行くと約1時間かかったところを、12分の短縮。西オーストラリア南部の町々がより身近に、便利になる。
新Mandurah線の建設に伴い、パースに地下鉄が登場!シティの真ん中、Murray
St. Mall、William St.、Wellington St.の交差するエリアの地下に、Clarkson線とMandurah線のプラットホームが現在建設中だ。この地下プラットホームにはMurray
St.側の入口から、そしてHorseshoe Bridgeの地下に作られるコンコースから入ることができる。Horseshoe Bridge地下のコンコースはPerth駅ともつながっており、利用者は楽々乗り継ぎができるという訳だ。もちろん、バリアフリーの先進国オーストラリア。エレベーターやエスカレーターも設置され、身体の不自由な利用者への配慮もしっかり考えられている。地下鉄はEsplanade駅を過ぎ、Narrow
Bridgeにかかる前まで。そこから電車は地上へと上がり、Mandurahまでの旅へと乗客を連れて行く。
今回のプロジェクトにあたって、日本の熊谷組とオーストラリアのLeighton
Holdings Ltdが共同で参加。「レイトン・熊谷ジョイントベンチャー」としてSouthern Suburbs Railwayの建設を行っている。
「2003年に西オーストラリア州より今プロジェクトが発表され、その後10月から約4ヶ月に渡って具体的な我々との協議が行われました。実際に熊谷組と工事に着手したのは、昨年の3月からです。熊谷組は、今回のSoft
Ground Tunneling(軟弱地盤におけるトンネル工事)と同様のプロジェクトを数多くこなしてきました。また、我々レイトンが熊谷組と事業を行うのは、過去のアジアでのプロジェクトを含め4度目で、実績は実証済みです。周辺環境への配慮も含め、これまでの経験も活かし、1つのチームとして今回のプロジェクトを進めています。」
(レイトン・熊谷ジョイントベンチャー・コミュニティ関係担当マネージャー:Susie Gibbsさん)
この「New MetroRail」プロジェクトでは2005年10月より、三菱重工業の最新技術マシーン、TBM(Tunnel Boring
Machine:トンネル採掘機)を使用し、土圧バランスシールドという施工方法でトンネル工事を行っている。この最新技術が、シティの中心という土地においても地上に迷惑をかけることなく、安全かつ騒音もない地下鉄工事を可能にしている。
現場の声を聞く
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レイトン・熊谷ジョイントベンチャー
建設担当アシスタントマネージャー:赤羽さん |
1978年に香港に赴任して以来、今回のパースが海外赴任3カ国目になります。去年の4月に赴任してきたのですが、パースに初めて着いた時には、これまでいわゆる大都市ばかりにいたせいか、日本の地方都市に非常に近い印象を受けました。自然も空気もきれいなところですね。ただ、外での作業中に口の中にハエが入ってきたのにはびっくりしました(笑)。
今回のプロジェクトには、日本から私を含め、合計7名が参加しています。マネージメントレベル、構造設計、トンネルの施工にも関わっています。現場では日本側、オーストラリア側がお互いに話し合って、皆で合意した方向で建設を進めています。
これまでにも香港でレイトン社の方達と仕事をしましたが、仕事に対するオーストラリア人に対する印象はあまり変わりませんね。こちらの人は大らかで、細かいところは気にしないこともあります。それは、いい面でも悪い面でも双方出ますけれど、海外で仕事をしていく上では、“郷に入っては郷に従え”。人材も含め、まずこの国内で何ができるのか、それに適応して仕事を進めていくことが大事だと思います。これは、今までの経験から学んだことです。
私は主に、設計や環境等といった他部署、現場の担当者とのコーディネートを行っています。そういった仕事をする際、現地の人のことを理解するよう努めています。このジョイントベンチャーではスリランカやタイ、台湾出身の人と色んな国の人がいます。常識の部分で日本と違うこともあると思いますが、先入観に捕らわれず、相手を理解しようとすることによって、仕事を円滑に進めるようにしています。
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Mandurah線完成後のパース駅周辺計画図
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Mandurah線の地下プラットホームイメージイラスト
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TBM
(Tunnel Boring Machine:トンネル採掘機)
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資料提供:
Public Transport Authority Government of Western Australia, Leighton
Kumagai Joint Venture |
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