イングリッド・ヴァンデン・ベルジエさん

—西オーストラリアの人々の映画の嗜好
西オーストラリアの人は、「Ten Canoes」や「Jindabyne」といった、身近なテーマの作品を観るのが好きだと思います。また他にも政治的な問題に深く触れた作品も好きですね。例えば、「An Inconvenient Truth」や「Who Killed the Electric Car」といった、地球温暖化と電気自動車の生産を止めた自動車会社と政治家を描いたドキュメンタリーなどが興味を引くようです。
—ルナ・パレス・シネマの地元映画産業への貢献について
ルナ・シネマは、できるだけ多くのローカルの映画祭をサポートしてきました。しかし、サポートにも限界があるので、本当の意味での映画産業の発展には、製作者の能力の底上げが必須だと思います。

リチャード・ソワダさん
Richard Sowada
オーストラリア・フィルム委員会などのコンサルタントを務める、「Revelation Perth International Film Festival」の創設者。


1997年から毎年開かれている映画祭。
外国語映画や、自主制作映画などを上映する。
期間：7月13日（木）〜23日（日）
場所：Luna Cinemas Leedervilleなど
http://www.revelationfilmfest.org

—Revelationの目的
Revelationは商業主義の映画産業を、新しいモデルに変えることを目指しています。私達は、製作者が今までにない作品を作るというリスクを恐れない環境を作り、映画製作に欠かせない創造性を伸ばすことが、産業自体の発展につながると信じています。
—日本映画がオーストラリアの映画文化に与えた影響について
無駄がなく、スタイリッシュな日本映画作品は、映画製作者に良い刺激を与えていると思います。

スー・テイラーさん
Sue Taylor
映画製作者として25年余りの経験を持つ、TV番組・映画製作会社「テイラー・メディア」の社長。最新作の「Last Train to Freo」はメルボルン映画祭で上映された。 http://www.taylormedia.com.au/

「Gigi EdgleyとSteve Le Marquand（Last Train To Freo）」9月公開予定

—プロデューサーとして心がけていること
作品を作る際に心がけていることは、リスクを犯してでも新しい、メッセージ性の強い作品にすることです。私はたくさんの旅を通じて、全く異なる文化に多く触れてきたので、違う文化を持つ人々同士の関係を主として伝えていきたいです。
—オーストラリアの映画界の今後について
将来、国内の映画界には、アボリジニの人々から良い作品が出てくるかもしれません。彼らは、すでにアートや音楽、ダンスで自らの文化の素晴らしさを立証してきています。なので、映画の分野に進出してくるのももうすぐだと思います。

ティム・ホランドさん
Tim Holland
現在、博士号取得のため大学で勉強している傍ら、自主制作でショートムービーを製作する西オーストラリア映画界の若手ホープ。

—映画監督としてオーストラリア映画のポテンシャルは？
すべての映画には「伝達する」といったポテンシャルが潜在しています。中でもオーストラリア映画には、自然に恵まれたロケーション、優秀なクルーが揃っているので、その環境を生かせば、今後もいい作品が生まれてくると思います。