Vol..124/2008/5
「神や仏はどこにいる?」

 何かよく分からない論法である。筆者の内田氏も「わかりにくくてすまない」と書いている。確かにわかりにくいが、何度となく読めば、なんとなくだが、分かってきた。
 世界中を見渡すと、ビルマに限らず、そこには神や仏の存在が感じられない厳しい現実がある。その現実を意識的に見ようとしなければ、決してそれは見えないだろう。たとえ見えたとしても、すぐに他人事として意識の外に消え去るであろう。それは当然である。
 だが、である。
 何かそこに人の陥りやすいピットフォールがあるような気がする。それは何なのか。内田氏の記述にはそれを回避するようなヒントがあるような気がしてならない。

 

 

 




 

 

 

 かつて私もトルコの地震取材をしたことがある。本来ならば、優先させるべきは、取材よりも救援・支援である。しかも、取材者にも後方支援がなければ身動きができない。そのこともあって、すぐにビルマに旅立とうとは思わない(もっとも、軍事政権からビザが出ないので、どうにもならないが)。それは、これまでのビルマ取材とはまったく性質が異なる。ではどうすればよいのか。困った。メディア関係の人にまとめた災害情報を提供したり、募金活動のお手伝いをするしかない。
 日本にいたまま、被災に遭ったビルマの人びとに具体的な支援が出来ない分、せめても違った形でビルマに住む人への思いを託したい(かなり勝手な自己満足だが)。
 それこそ、神よ仏よと祈ったり、拝んだりするしかない。

   


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