パースエクスプレスVol.115 2007年8月号

「分かち合いのルール 」

 昨年11月に日本を発ってから約9ヶ月あまり。この間ずっと、東南アジアの西の端に位置するビルマ(ミャンマー)の取材に明け暮れている。東南アジア最後の軍事独裁政権(タンシュエ上級議長)のビルマは、その政治体制が故に、社会は疲弊し、経済的に困窮を極めている。今回の取材の主な目的は、軍事政権による甚だしい人権侵害の実態や大手メディアでは伝えられていない人びとの暮らしぶりを見ることである。

 ビルマでは、都市でも地方でも、どこに行っても水汲みをしている人びとの姿を見かける。早朝や夕暮れ時、町を歩いていると必ず、井戸・川・ため池などから水を汲んだバケツを抱えている女性や子どもに遭遇する。炊事・洗濯、或いは飲み水として利用するためである。

 
濃い朝靄の中、ため池に水を汲みに来た女性や子どもたち。
 


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