ゲストハウスで偶然、時を置いて、3人の日本人と話をすることになった。72歳のSさん(男性)と38歳のUさん(男性)、1週間後に58歳のIさんと出会った。驚いたことに、年齢も出身地も(たぶん)別々の3人が共通して口にした話題がある。
「ミャンマーは、どういうわけか昔の日本を思い起こさせる雰囲気をもってます。なんだか(昔の日本を)懐かしく思わせます」と。
なるほど、私も一時期、ビルマに来た当初はそういう感じを受けた。だが、来る人来る人、ほとんどの人が同じ印象を語るのを聞くにつれ、「これっておかしくない」って思い始めた。
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72歳のSさんと38歳のUさんでは、倍とはいえないが年齢差は34歳もある。その中間の年齢のIさんは現在、日本を出て生活すること20年という人生経験を経てきている。
戦中戦後のSさん、団塊の世代のIさん、オイルショックを子どもの頃に経験した新人類世代のUさん。
同じ日本といっても、同じ社会様態を経験しているはずがない。なのに、3人とも同じような「昔の日本」を抱いている。これって、世代を超えた共同幻想なのではないか。一体、このような共同幻想は、どうやって生み出されてきたのであろうか。
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