デパートの屋上から淋しい公園へと移された黒い木馬と猫の物語である。この物語の主人公は、黒い木馬であり、猫との関わり合いから、いろいろな事を経験する展開になっている。だが、この物語を読んだ小学生は、主人公の黒い木馬よりも猫の方に感情移入していく。
そこで河合さんは続ける。
主人公というものはたとえ一番よく活躍するとしても、一番大切な存在ではないのだ、ということである。一番大切な存在は、作品の主人公にはなり得ないのではなかろうか、・・・・・。