「・・・ったく」

 自分がやっている仕事といえば、現地取材の後、日本に戻り、仰々しく、人権や平和を語ること。それも大言壮語に。だが、こうやって、ちょっとしたことにフラストレーションを感じながら、昨日も、今日も、明日も些細なトラブルを抱えながら生活しているのが実情。「志(こころざし)」と日常生活とのギャップが大きすぎる。

 戦禍に見舞われ、明日の運命を決めることができず、山の中をさまよう村人たち。刑期は終わったものの自由の身にしてもらえず、14年の時を刑務所で過ごす政治犯。地雷で足を吹き飛ばされた男。明日の食べ物を求めて徘徊する子ども達。早朝から水汲みに出かける女達。

  現場に足を踏み入れながら、「果たして、本当に彼ら・彼女達の立場になって物事を考えているのか」。いつも疑問に思う。まあ、思い込みの部分も多いだろう。
 
考えてみると、自身の生活も仕事も、自分ではどうしようもないことが多すぎる。だから、まっすぐ前を見据えて、状況を受け入れるようにならなければならない(でも、前を向く、ってどういう意味だろ?)。ただただ、日々、淡々と生きるのだ。
   


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