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フォトジャーナリスト宇田有三氏による衝撃ルポ

On The Road by.Yuzo Uda
Vol.194/2014/03

「抗いの彷徨(4)」



団員の日常風景を写真に撮るというプロジェクト

17mmの超画角レンズで撮影。標準レンズ(50mm)の画角の印象を保ちつつ、全体に広がりを持ったイメージを収めることができる。

 世界をどう見るか。世界をどのように写すか。色彩あるこの世界で白黒写真を撮るというのは、グレー(灰色)の濃淡を特に意識することである。そのグレー(領域)を意識するということは、実は何も写真だけの世界だけでない。それは、モノの見方や考え方にも応用されうる。前回、そのようなことを説明した。
 では次に、写真を撮る際、目の前にある世界をどのような「画角」で切り取るのか。そのことについて考えてみたい。人間の視野の広さは、前を向いている状態だと、左右合わせておおよそ120度だといわれている。でも実際、何かを意識的に見るといった場合、人間の視野はそれよりもずっと狭まる。カメラのレンズに当てはめると、(35mm〜)50mm に相当する。カメラの50mmレンズが「標準レンズ」だとされる所以である。