Vol..150/2010/7
「信仰のある風景」

 東南アジアのビルマ(ミャンマー)だけでなく、タイやカンボジア、あるいは中米グアテマラやエルサルバドルを訪れて強く感じるのは、どの地でも多くの人が自分の信仰を持っているなあ、と折に触れ感じることである。特にこれらの国々は、上座仏教やカトリックだからであろうか。

 私自身、日本社会で育ったせいか、日本に暮らす多くの人と同じように自分の信仰についてそれほど強い思い入れを持っているわけではない。

 そこで、さまざまな異国を訪れた際、人びとが手を合わせて祈る・拝むという光景を眼の前に、何やらそこに新鮮なものを感じてしまう。人間の能力では捉えきれない大きな存在に対して謙虚に自分をさらけ出しているんだなあ、と。それが、仏教であれ、キリスト教であれ、イスラームであれ、その感覚はほとんど変わらない。

 
ビルマ西部のバングラデシュ国境が近い地方都市。得度式を終えたばかりの幼僧が仏像に向かって手を合わせる。上座仏教徒が7〜8割をしめるビルマ(ミャンマー)において、幼くして仏門に入ることは、その後の彼らの人生にどのような影響を与えるのだろうか。


寺院守をする女の子が2人、回廊の仏像にロウソクを灯し手を合わせる。年端のいかない子どもたちには仏教の教えは分からないはず。それでも荘厳な雰囲気を醸し出す仏像の前で静かに佇む。
 


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