Vol..143/2009/12
「閉ざされた国 ビルマ(前)」

 寒い日本を後にし、10ヶ月ぶりにタイ・バンコクにやってきた。日中の気温は30度近い。すこぶる元気になる。実は、久しぶりに長期間日本にいたこの間、東南アジア最後の軍事独裁国家ビルマ(ミャンマー)に関する本(上写真)を書いていた。ようやく脱稿し、出版の手はずを整えた後、出国してきた。
 この連載“On the Road”でも、度々ビルマ問題に触れる原稿を書き続けてきた。途中から読んだ読者には、「なんでビルマ?」って思っている人も多いかと思う。  ビルマに関する出版物は、写真集『ビルマ 軍事政権下に生きる人びと』に次いで2冊目である。もっとも、写真集の出版意図は、ビルマの人びと向けであった。
 こういうことだ ── 軍事政権下のビルマにあっては、現地に住むビルマ人は、基本的に国内の移動に制限がある。そのため、自分の住む地域や地方のことしか知りようがない。あるいは軍政のプロパガンダ的ニュースでしか全国の様子を知ることができない。外国に出て初めて自分の祖国の全体像を知ることになる。

 
『閉ざされた国ビルマ』
(高文研、1,700円)

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