Vol..125/2008/6
「それでも救いがある世の中」

 斉藤さんのルポは時代を超えて生き続けている。これは日本で起きた冤罪事件(人災)であるが、ここから私は何かしらの光明を見いだします。  

5月末、ビルマのサイクロン禍に対して、JR大阪駅前で募金活動が行われました。関西在住の日本の支援者に加えて、遠く名古屋からも日本人やビルマ人の参加者がありました。
 そこでいつも思うんですけど。
 募金活動に参加している日本の人たちの多くは、支援機関やNGOに勤めているわけでなく、フツーの会社員であったり、学校に勤めていたりしています。また学生の人もいました。
 学生の人ならまだ分かるんですが、勤め人にとって、休みの日は貴重な休息の日でもあります。それなのに、それこそ利害打算を抜きにして、ビルマのために頑張っているのを見て、それこそ感嘆してしまいます。世の中、捨てたモンじゃないな、と。
 もちろん、支援活動なんて、やってる人の自己満足だ、とか言う人もいます。でも、何かやれば、確実にお米10gや一包の散薬でも届けることができます。もしかしたら、具体的に目に見える成果は返ってこないかも知れません−おそらく、返ってこないでしょう。それでも彼らは、募金箱や支援の呼びかけのチラシを手にして、行き交う人波に立ちつくします。

 

 私なんぞは、そういう活動を取材して発表するのが「仕事」ですから、彼らとは全然、ポジションが違います。  こういう見返りを求めない行動をこういった人びとが、いつの世にも、どこかにいると思うことで、なんだか救われた気になります(それだけで満足するなよ、って思われるかも知れませんが)。

 人災とも呼べる軍事政権下での自然災害のその後。そんなビルマの現実を変えるのは、それこそ気の遠くなることかもしれません。でも、こうやって表に現れない人が、どこかにいるのが大きな希望になります。  なんだか支離滅裂ですが。
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