Vol..125/2008/6
「それでも救いがある世の中」

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「あたしはこんな目におうて不幸や不幸やといわれるんですけど、こんな目におうたからこそ、たくさんのええおひとに出会えたんやと思うと、とても幸せなんよ」と私に言っていた。
辛く悲しいことばかりだったに違いない彼女にとって優しい 人々の熱い「人間の声」だけが、たったひとつの救いだったのかもしれない。
その声のなかで彼女は死んだ。
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強大な力で『正義』を押しつぶそうとするものへの闘志。
それは同時代を生きる多くの人々の心の中に『長いものに巻かれるのは嫌だ』『泣き寝入りされてたまるか』『人間の尊厳を守りたいのだ』といった、ごくごく素朴でまっとうな正義の心を呼びさまし、励まし、利害打算をぬきにして、一銭にもならない『価値』を求めて身を粉にしようとする人々を生んだ。
飽食爛熟の現代社会にあって、人間にとってかけがえのない価値を求めようとする闘いが、ひとりの女の執念を軸として、ともかく三十年間も営々とつづいてきたこと自体、じつに貴重な価値であり、それこそが人間の創り出す「文化」と言えるものだ。
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JR大阪駅前の募金活動には、名古屋からビルマ人や日本人も参加した。

   


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