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パースエクスプレスVol.169 2012年2月号

≫ 地域の文化と郷土料理を紹介

≫ イトマン代表選手がパースの大会に参加

 社会
  地域の文化と郷土料理を紹介

国際交流基金と在パース日本国総領事館の共催により、日本の地域文化を紹介するレクチャーと和食のデモンストレーションが、西オーストラリア総合技術専門学校(Polytechnic West)にて行なわれた。

取材協力:在パース日本国総領事館


 2月8日、新潟県南端の十日町市と津南町からなる地域、越後妻有(えちごつまり)よりシェフ3人が、オーストラリアでも入手可能な食材を使った郷土料理のデモンストレーションをオーストラリア人などの参加者に披露した。また3年に1度、国際芸術祭「大地の芸術祭」が開催されている越後妻有は『大地の芸術祭の里』と呼ばれ、アートを媒介してその地域の価値を世界に発信し、新しい地域作りのモデルとして活動していることも紹介された。

 今回来豪された3人のシェフの中で『大地の芸術祭の里』の拠点にもなっている「まつだい『農舞台』」の中にある“越後まつだい里山食堂”のシェフ、長谷川繭さんはパースの印象を「食べ物や気候で人は形成されると思いますが、パースの人たちは、天候と同じくカラッとして、明るい感じの方が多いように思いました」と話し、「生きるということは自分の身体を知ることで、その自分の身体は食べ物でできているということをもっと知るべきだと思っています。食を通して生きるということを知り、その食の豊さは健康、そして幸せに繋がるということも、今回の参加者の皆さんへ伝えられていればと思っています」と語った。

レクチャー&デモンストレーションを前に参加者へスピーチをする、在パース日本国総領事館の石川達雄総領事料理をテーマにしたチャンネル7で放送中のバラエティ番組「My Kitchen Rules 2012」のAngela Schlegelさん(右)が、アシスタントとして参加。
来豪された3人のシェフ。写真左から「絵本と木の実の美術館 Hachi Cafe」のシェフ、岩田清美さん。「うぶすなの家」のシェフ、水落静子さん。「越後まつだい里山食堂」のシェフ、長谷川繭さん。
今回、デモンストレーションで披露された料理は、「バラマンディの炊き込みご飯」「豚肉くるみ味噌焼き」「やたら冷奴」「きのことじゃがいもの味噌汁」。

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 社会
  日本のイトマンスイミングスクール
代表選手がパースの大会に参加

今から4年前、2008年の北京五輪で日本競泳史上初の快挙が生まれた。日本の競泳界で自由形短距離といえば、世界のトップレベルから水をあけられてきた種目である。その自由形で男子200mの予選、準決勝で共に日本新記録をマークし、日本人が初の決勝の舞台に立った。当時を振り返り、「確かに、嬉しかったですよ」と話す、奥村幸大選手。1月17日〜21日にパースのチャレンジ・スタジアムで行なわれた『2012 Swimming WA State Open & Age LC Championships』に参加し、自身3度目の五輪出場を目指し、4月2日からのロンドン五輪出場選手選考会ともなる日本選手権のための調整を行なう奥村選手に話を伺った。

協力:イトマン スイミング スクール / Swimming WA


——昨年12月22日からのシンガポール合宿、そしてこの大会。体調はいかがですか?
「国際大会には16歳から、日本代表は18歳から経験していますが、今の自分の年齢で現役を続けて来られている選手はそう多くはないので、体調維持には気を付けています」

——トップのアスリートとして10年もの間、地位を維持されてきていますよね。
「トップというわけでもないですよ。2011年の日本代表では、北島康介選手が僕より1つ上の先輩で最年長。自分は上から2番目になってしまいましたが…。今回の『イトマン』チームでは最年長です」

——アテネ五輪では、その北島選手らと400mメドレーリレーで銅メダルを獲得していますね。競泳は個人競技といった一面が強いように思いますが、リレーはいかがですか?
「リレーに限らず、競泳はチームスポーツだと思います。今回は、『イトマン』というチームでこの大会に参加し、国際大会では『ジャパン』というユニフォームを着て、『チーム・ジャパン』で参加しますので、個人というより自分はチームという気持ちが強いです」

——将来、競泳選手を目指す子どもたちへ一言お願いします。

「まず、練習場や競技会での人との出会いやコミュニケーションを大切にしてほしいです。そして、周りの人たちの協力があって泳げる、という感謝の気持ちを持つことも。トップになればなるほど、自分だけで泳いでいると思いがちですが、感謝が大切です」

——五輪でメダルを取ったことで、人生変わりませんでしたか?

「正直、変わりましたよ。逆に、取らなかったら、ここまで競泳は続けていなかったと思います。良いパフォーマンスができなくなって、皆が離れて行くということも経験しました。でもそれが、若い頃に経験できたのは良かった。自分が現役を続けられるのもそう長くはないかもしれませんが、今でも出会いを大切に、感謝の気持ちを持ってやっています」

——最後に今の目標をお聞かせ下さい。
「ロンドン五輪に出ることです。僕らがやっている競泳では一番大きな大会で、小さい頃からそれに出たいと思ってやってきているので。今、現役を続けられているのは、その目標があるからかもしれません」

100m自由形の予選を泳ぎ終え、電光掲示板で自分の記録を確認する奥村選手。
200m自由形2位で表彰台に上る奥村選手。
ご自身にとって『水の中』とは?という質問に「苦しい、苦し過ぎますよ(笑)。でも、怖いとは考えない。顔を上げると呼吸はできますし。たまに嫌いになることもある。観たくない時も。でも、切っても切れない関係ですし、これからもそうなるでしょう」と話してくれた。

イトマン スイミング スクールから全12選手が今回の大会に参加し、前回の北京五輪を経験している入江陵介(いりえ・りょうすけ)選手、山口美咲(やまぐち・みさき)選手も各種目で好成績を収めた。
200m背泳ぎ予選に望む入江選手(写真中央)。
200m背泳ぎ1位で表彰台に上る入江選手。2008年の北京五輪では、200m背泳ぎで5位入賞。100mと200m背泳ぎの日本記録保持者。100m自由形3位で表彰台に上る山口選手。2008年の北京五輪では、800m自由形リレーで7位入賞。100m自由形の日本記録保持者。

奥村 幸大
(おくむら よしひろ)

1983年5月9日生まれ。イトマン スイミング スクール所属。2004年のアテネ五輪で400mメドレーリレー銅メダル、2008年の北京五輪では200m自由形で7位入賞。昨年のジャパンオープン2011では、200m自由形で 1位。経験豊富なベテランとして、日本の自由形選手を牽引する。コーチは道浦健壽氏。


イトマン スイミング スクール
大阪に本社をもつスイミング・スクール。全国に提携校もあわせ50校を展開する、日本のスイミング・スクール事業の草分け的存在。 www.itoman.com/

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