10月28日から30日にかけて、CHOGM(The Commonwealth Heads of Government Meeting/イギリス連邦首脳会議)がパースで開催された。1971年に始まったこの会議は、イギリス連邦に属する国において2年毎に開催され、今回は53カ国から各首脳らが集まり、世界全体や連邦国の諸問題について意見を交わした。 |
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28日に行なわれたオープニング・セレモニーにて。女王エリザベス二世とイギリス連邦各国の首脳ら。 | |
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今回、CHOGMのパースでの開催に先立ち、市内では“CHOGM 2011”の大きな垂れ幕やポスターが街中に設置され、付随したイベントがいくつも開催され、景観を良くするための工事も行われた。パースにおけるこのような国際的に大規模な行事は約50年ぶりと言われ、開催が近づくにつれパースはCHOGMムード一色となった。
期間中は、イギリス連邦の元首である英国の女王エリザベス二世がパースを訪れることもあり、パース市内は多くの人で賑わった。しかし一方でデモなども多く起きたため、厳重な警備と大規模な交通規制が行われた。会議場となったPerth Convention and Exhibition Centre周辺には、関係者以外の立ち入りを禁止する区域が設けられ、またある一定の区域内で持ち込みが禁止されている物品を所持していた場合は、6,000ドルの罰金、または12ヶ月の禁固を科せられることになっていた。
交通事情も大きく変更された。パース中心部の多くの道路が通行禁止、または一時規制などを受け、車での移動は大きく制限された。しかし会議初日の28日(金)は、「女王誕生日」の公休日だったということもあり、州民の生活への支障は軽減された。そして28日と29日は、両日ともTransperthのバス・電車が無料で運行されるなどの試みもなされた。
女王エリザベス二世は、夫であるエディンバラ公と共に19日にキャンベラに到着。ブリスベンやメルボルンなどを訪問した後、パース入りした。パースでは会議への出席の他、小学校の訪問や『Big Aussie Barbecue』と銘打ったバーベキュー・イベントに参加するなど、精力的に市民との交流を図った。女王エリザベス二世の訪豪は今回が16回目で、西オーストラリア州の訪問は7回目となる。
首脳会議は、28日の女王エリザベス二世の開会宣言を含むオープニング・セレモニーを皮切りに、カマレシュ・シャルマ事務局長のもと、英国王室の王位継承に関する諸問題の改革や、ポリオの国際的な根絶に向けた取り組みなどについて話し合われた。そして最終日の30日、イギリス連邦加盟国による連邦組織の改革の推進などへの合意と、2013年に行われるスリランカでのCHOGMの次回開催を再確認して閉幕した。
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イギリス連邦の各国首脳を前にスピーチを行う、女王エリザベス二世。 | CHOGM 2011の開会を宣言する女王エリザベス二世。 |
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