本誌:オーストラリアでの公演はパースで4回目でしたが、初日のメルボルンからキャンベラ公演まで振り返ってみていかがでしたか。
守也:毎回全く違うステージができていて楽しいです。
圭土:メルボルンから始まって、残すところブリスベンのみということで、あっという間でしたね。
本誌:実際にステージを拝見し、お2人の本当に楽しそうにピアノを弾く姿が印象的でした。また、例えば『SAMURAI Funky』での三味線と琴を連想させる音など、ピアノ一台から奏でられる多彩な音色や大迫力の演奏に、会場にいる全ての人が引き込まれていくようでした。パースでの公演を終えたばかりですが、率直なご感想をお聞かせいただけますか。
守也:お客さんに自分たちの気持ちを盛り上げてもらって、より一体感のあるステージになったと思います。
圭土:パースのお客さんは本当に皆さんあたたかくて、一緒に音楽会を創っている感じがしました。
本誌:滞在期間が短いと思いますが、パースの印象を教えてください。
守也:東側から初めて西側に来たのですが、街の雰囲気が全然違いますね。気候も暑くて驚きました。広いし、気持ち良いですよね。
圭土:シドニーとメルボルンは都会でしたし、キャンベラはすごくきれいな感じでしたが、パースは、例えば平屋の一軒家が立ち並んでいる姿とかが穏やかな感じで、住むならこういうところが良いなと思いました(笑)。
本誌:海外公演ということで、相棒の『ダニー君』以外のピアノでの演奏でしたが、音の違いはもちろんですが、何か苦労した点などはありますか。
守也:海外公演の際は、当日のリハーサルで初めてそのピアノに触れて、毎回違うので、曲によって弾き方を調整することが必要になります。特にミュート奏法(※)の時は、中でピアノの弦を押さえるのですが、ピアノによって例えばフレームの位置など、内部の構造が違うので、それが一番苦労しますね。でもあとは調律師の方に調節してもらっているので、全公演気持ち良く演奏できています。
※ミュート奏法とは、手で弦を押さえながらピアノを弾く、演奏方法の一種。
本誌:本日の公演の中で、2回目の即興演奏の際に『Waltzing Matilda(ワルツィング・マチルダ)』(※)の演奏がありましたね。このサプライズにとても喜んで、お2人の演奏に合わせて口ずさむ地元のお客さんの姿も見えました。今回のステージのための特別なプログラムだと思いますが、その他全体の構成などを含めて、オーストラリア公演のためにこだわった点などはありますか。
守也:『Waltzing Matilda』は今回のオーストラリア・ツアーのために演奏しました。プログラム的には初めての地ということで、僕らの曲の中で色んなタイプの曲を組み合わせて、ダイジェスト版のような構成にしました。
圭土:あとは今回、4月に出る3rdアルバムから3曲演奏しています。特に『EARTH』は、ここオーストラリアで弾きたいという気持ちが強かったので、そういう点からもセットリストを考えました。
※『Waltzing Matilda(ワルツィング・マチルダ)』は、有名なオーストラリアの愛唱歌。
本誌:すでに世界各国でご活躍されているお2人ですが、海外公演の際に気をつけていること、心がけていることなどはありますか。
守也:言葉ですね。今回もそうなんですが、下手なりにも一応現地の言葉でMCを、と考えています。
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斎藤守也さん(写真左)と斎藤圭土さん(写真右)。
(編集部注:パース公演の写真ではございません)
(c) Les Freres
<プロフィール>
斎藤 守也(さいとう もりや)
1973年11月5日生まれ。横須賀市出身。11歳からピアノを始める。15歳の時、ルクセンブルク国立音楽学校に留学、卒業後帰国。帰国後は作曲活動やライブ活動を行なう。バラードを得意としながらも、クラシックからポップまで幅広いプレイで聴く人の心を魅了する。
斎藤 圭土(さいとう けいと)
1978年11月18日生まれ。横須賀市出身。6歳からピアノを始める。15歳の時、ルクセンブルク国立音楽学校に留学。留学中に出会ったブギ・ウギ・ピアノを独学で始めた。古典的ブギ・ウギの継承者、次世代を担うブギ・ウギ・ピアニストとしても国内外で注目を集める。
『レ・フレール』のオフィシャル・ウェブサイト:
http://lesfreres.jp |
斎藤圭土さん(写真左)と斎藤守也さん(写真右)。
<パース公演のインフォメーション>
オーストラリア5都市を回る今回のツアーのパース公演。
日時:2011年3月12日(土)/8pm〜
場所:The Astor Theatre(住所:659 Beaufort St. Mt. Lawley)
料金:$18〜$35
ウェブサイト:www.jpf.org.au
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