2月22日(火)午後12時51分、ニュージーランド南島中部にあるクライストチャーチ市より南東10kmの場所で、マグニチュード6.3、震源の深さ5kmの地震が発生した。今回の地震は、昨年9月4日にダーフィールド付近で発生したカンタベリー地震(マグニチュード7.1、震源の深さ10km)よりも震源が浅く、クライストチャーチにより近い場所で起きた。調査によると、カンタベリー地震よりも身体に感じる揺れは大きかったという。
地震とその直後に発生した火災の影響で、多くの人々が建物の中に取り残され、崩壊した建物の下敷きとなった。また、ニュージーランド南島にあるほとんどの病院が多くの被害者で溢れ返った。地震発生の翌日、23日の午前中までに70名が救助されたが、その後救助作業は難航。政府は、3月4日時点で163名の死者を確認、死者数は220名に到達すると予想されている。
建築物への被害に関しては、市のシンボルであったクライストチャーチ大聖堂が崩壊し、クライストチャーチ市の文化遺産建築物の半分が崩壊の危機にあり、立ち入り禁止となっている。また、東部郊外地区での被害が大きく、1,350戸の住宅が深刻なダメージを受けた。
今回の地震により、3,000人以上が失職、38,000人以上の労働者が政府の救済政策に申し込んだ。また、クライストチャーチ市を中心とした5,600以上のビジネスが営業中止となるなど、ニュージーランド全体の経済にも大打撃を与えた。米国大手金融企業JPモルガン・チェースによれば、今回の損失は1994年のカリフォルニア地震以降2番目に多い総額約120億米ドル(約9,900億円)になる見込み。
オーストラリア政府は、ニュージーランドへ300人以上の緊急支援部隊を派遣し、5億豪ドル(約415億円)の援助を申し入れている。日本からも国際緊急支援部隊が派遣され、2月24日に現地入りし、救援にあたった。倒壊したクライストチャーチ市のCTVビルには、日本から多くの留学生が通う語学学校が入居しており、通っていた日本人学生のうちの7名の死亡が3月12日の時点で確認されている。
<当記事編集:3月12日>
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