パースエクスプレスVol.120 2008年1月号


≫ パース‐マンデュラ間をつなぐマンデュラ線開通
≫ パースで邦人の男性が刺されて死亡



 社会
  パース‐マンデュラ間をつなぐ マンデュラ線開通

2007年12月23日、西オーストラリア(WA)州初の地下鉄道を含むマンデュラ(Mandurah)線が開通し、運行が開始された。

 マンデュラ線は、WA州で初めての試みである地下鉄をシティ内を縦断するように建設され、パース・シティとパースの南にあるマンデュラまでの74kmを走る路線で、計画当初の完成時期から大幅に遅れての開通となった。
 同日、パース発の最初の電車には、Alan Carpenter州首相やAlannah MacTiernan都市計画・インフラ大臣を含む関係者やメディア、そして抽選で選ばれた市民、計約1,500人が乗車した。そして、マンデュラで行われた開通記念セレモニーでは出店や音楽イベントなどが開かれ、マンデュラ線の開通を祝った。
 MacTiernan都市計画・インフラ大臣はこの日の開通に際して、「WA州で前例のないこの大規模なプロジェクトは本当に難しく、長い月日を要しましたが、今は満足感でいっぱいです。この路線から見える、スワン川とキャニング川などは、パースを訪れる方々にぜひご覧いただきたい景色の1つです」と、同路線の観光面での役割も強調した。
 今回の開通により、パース‐マンデュラ間は、従来のバスで1時間ちかくかかった距離を約48分でつなげた。また、1日におよそ50,000人の利用が見込まれているほか、交通渋滞が問題視されていたクイナナ・フリーウェイを利用する、最大21,000台の自動車の利用者が同路線を通勤などに利用することが予想され、排気ガスによる環境への影響が緩和されることも期待されている。


パース・シティとサウス・パースを結ぶナロウ・ブリッジ(Narrow Bridge)を走る、マンデュラ線の電車。


多くの人が利用するエスプラネード駅

 
 社会
  パースで邦人の男性が刺されて死亡

昨年12月27日(木)、パースのウェリントン・ストリート・バスステーションで、邦人の男性が刃物で刺され死亡した。

 死亡した邦人男性(32)は、同日夜10時30分ごろにウェリントン・ストリート・バスステーションにいたところ、近づいてきた男に刃物で首などを刺され、間もなく死亡した。
 警察の調べによると、男性を殺害したのはPatrick Keith McMahon容疑者(22)で、McMahon容疑者は事件前にバスで同バスステーションに着き、乗っていたバスの運転手と口論になったため、バスの防犯用格子を殴り、刃物を取り出して運転手を威嚇した後バスから降りたとされている。また、その後男性を刺殺するまでに構内にいた人々に近づいていたという目撃証言から、事件は無差別殺人 であった可能性が高いとしている。口論となったバス運転手が威嚇された後に呼んだ警備員は、惨事が起こった後に駆けつけ、同容疑者を取り押さえて、警察に引き渡した。同容疑者は、殺人などの疑いで逮捕された。

 警察は、翌日28日に行われた記者会見で、それまでの調べでは同容疑者と男性の間に関係はなかったとし、殺害された男性はオーストラリアの永住権を持つレストランのシェフであったと発表した。更にその後の調べによると、同容疑者は12月20日の午前2時20分ごろに刃物を手に持ち、郊外のレストランの窓を蹴って割ったことで警察に捕まり、保釈された身であったことが判明した。
  McMahon容疑者は、事件翌日にパース治安判事裁判所に出廷し、保釈を求めなかったため、Paul Heaney治安判事は同容疑者を再勾留とした。

 1月9日朝、同事件はABCのローカルラジオ番組で取り上げられ、死亡した男性の知人が故人のパースへの想いについて語った。  また、殺害された邦人男性が勤務していたレストランの経営者は、「治安維持のため、パースの街にも日本の交番のようなシステムを導入するのは如何だろうか。そうすることで、庶民にも安心感が生まれ、また観光客にも親切な対応がなされる。今回の事件をきっかけに、何かが変わらなければならないと思う」と語った。  McMahon容疑者の初公判は、1月22日に開かれる予定となっている。


事件現場に供えられた多くの献花。この場所に、殺害された男性の名前が刻まれたプレートが掲示される予定。

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