[第5節] 現代サッカーとビジネス

テレビ放映権料、スポンサー収入がクラブ側へ十分に流動されるようになると、クラブとしては高額な移籍金を払い、注目する選手を世界各国から集め、チームの補強を行った。チームが強くなることで更に放映権料、スポンサー収入の増収が見込めたからだ。

テレビの放映権料が、スポーツ競技のサッカーを更にビジネスの世界へと押し上げたことは言うまでもない。クラブは、保有する選手個人を一商品と見立て、活躍すれば高い値で他のチームに売り、得たお金でチームを補強する。もしくは若い選手を育成し、良い選手を育て、また売る。その繰り返しによって生んだ巨額の富が、移籍金や選手の年棒に大きく反映した。

まだ記憶に新しいところだが、2001年のフランス代表ジダンがスペインのクラブチーム「レアル・マドリード」に移籍金約81億円で移籍したことは世界でも話題となった。また日本人選手で言うと、2001年、日本代表の中田英寿が移籍金約33億円で「ASローマ」から「パルマ」(両チームともイタリアのクラブチーム)に移籍した。そして圧巻なのが、今年2005年の6月、ウクライナ代表のシェフチェンコに移籍金約120億円のオファーがイングランドのクラブチーム「チェルシー」から届いたということだった。実際、この話は実現されなかったが、恐るべき額である。

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