[[第3節] 準備とパフォーマンス

「朝食は毎日、ちゃんと食べます。最低45分は掛けていますね。朝が勝負だと思っていますから。今の時期、朝は寒い。目覚ましをかけても、起きるのが辛い。でも、『今日はいっか』と思うだけで『次がない』と思い、起きています。心持ち一つですよね。目標を持って、“勝つ癖”をつけるようにしています」

石田は、反芻するように「不安は、不安しか生まない。そこからは、希望は生まれない」と言った後、目前に迫ったプレシーズンカップ、リーグ戦についてこう語った。

「1年間フルに試合に出られるように準備する。でも、コーチが自分を使うか、ボチボチ使うか、全く使わないか、今の時点では分かりません。でも今、一番心掛けていることは、自分にとって問題が起きた時に、それを克服し、一回り大きくなりたいと思っていることです。その問題が試合に出れないとか、けがをして試合に出られない、といったものかもしれない。そうした時に、どのようにしてその問題に向き合い、乗り越えて、ステップアップできるのか。それが、大切だと思っています。必ず問題は起きてくる。起きてこないなんて、人生ではないですよね。もし問題のない人生があるとしたら、そんなつまらない人生はないはずです。成長もできないだろうし、問題があるからこそ、乗り越えて、磨かれていくのです」

ゆっくり、静かに発せられる石田の言葉には、確固たる自信と挑戦を感じた。

(文責 今城康雄)

石田 博行
1979年8月31日生まれ、神奈川県出身。中学卒業後、単身ブラジルへ。3年の後帰国し、Jリーグ、シンガポールのSリーグとプロ契約。2001年にシドニーのオリンピック・シャークスに移籍。主力選手としてチームの優勝、準優勝に貢献。2004年にパース・グローリーと契約。172cm、64kg。

 

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