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前島イズム 継続の”エクササイズ”

前島イズム 継続の”エクササイズ” by前島 一貴

Vol.224/2016/09

前島イズム 継続のエクササイズ


今月号は、まずリオ・オリンピック体操男子団体総合で金メダルを獲得した日本代表5選手中3選手の先輩にあたる当コーナーのトレーナー、前島一貴さんに、後輩の活躍などにつてお話を伺いました。そして、子どもから高齢者までできる「バランス・トレーニング」を3つほど紹介します。



第15回 バランスエクササイズ


「リオ・オリンピック体操男子団体総合、金メダルを獲得」を受け、前島さんにインタビューしました。



質問

優勝の知らせを受け、率直にどう思いましたか?


「一言で、"嬉しかった"です。期待されて大変だったでしょうが、本当に頑張ったなと思います」



質問

大学の体操部の後輩にあたる内村航平選手も偉業を成し遂げましたね。


「はい、素晴らしいですね。団体の予選は4位で、報道ではネガティブなことも言われていましたが、個人的には“悪”が全部出て、決勝はうまくいくんじゃないかと漠然と思っていました。ただ、決勝当日はドキドキでしたけど(笑)。時差の関係で、パース時間の早朝4時に起きてTV観戦しましたが、ここはオーストラリアなのでもちろん、日本選手の競技ばかり映されないため、日本の友人からのSNSで先に各選手の結果が分かったりしていました」



質問

海外、オーストラリアからみた日本の体操の強さは、何だと思いますか?


「まずは、層の厚さです。例えば、日本国内トップ10のどの選手でも、世界で競える力をもっています。もちろん、内村選手は別格としても、その他の選手でも世界でトップクラスですし、その層の厚さが後進を育てるアドバンテージともなっています。それと、日本の選手は技術だけではなく、対応能力にも長けています。例えば、どこの国のどの会場の、どんな器具で、どの時間帯で競技するかといった環境を瞬時に対応できる能力があり、その点も強さの一つでしょう」




質問

前島さんも学生時代、国際大会に出場し、最高峰のオリンピックも目指されたと思いますが、今回のオリンピックはどんな立場で観戦されたのですか?


「まだ、自分の中では選手しての意識が強いですが、今後はコーチとして、そしてジャッジとして試合を観て行くことになりそうですね」



質問

そのコーチとして、オーストラリアにおける現在の体操のレベルをどうみていますか?また、今後期待することとは?


「今回のオリンピックには、オーストラリアの男子選手は出場できていませんが、正直、出場するまでには相当のレベルアップが必要となるでしょう。その根本となるのが、意識改革だと思っています。実際に自分の教え子たちも、レベルの高い演技を“自分たちにはできないから”と諦めている節があります。そうではなく、“いつか、あのレベルに自分も追いつく”といったハングリーな気持ちをもってもらいたいと願っています。自分もそのようなメンタリティをもった選手を育てていければ、と日々努力しています」