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 「ちょっと変だったって?」
 「たかがトイレを借りたいと言っただけなのに、中に入られるのを嫌がっていたらしいんだ。」
  「嫌がってた?」
  「あぁ、何か見られちゃ困るものがあるような雰囲気だったそうなんだ。」
  「アレキサンドリアって、確か空港に行く途中だったよね?」
  「ああ、ここから10分ぐらいだよ。」
  「僕、これから行ってくるよ。」
  僕は、今すぐにでも飛び出す構えでチャーリーをうかがいました。
  「ちょっと待てMORIO、今日何曜日だ?」
  「金曜日だよ。」
  チャーリーは立ち上がってタバコに火をつけながら、僕に振り返ると言いました。
  「MORIO、気持ちは分かるがもう1日我慢できないか?」

 

  「もう1日?」
  「ああ、少なくとも明日の朝まではな。」
  「ここまで2人でやって来たんだから、チャーリーがそう言うのならそうするよ。でも、今から1人で乗り込めって言われても僕は大丈夫だよ。」
  「それで、15分してもおまえが出てこなかったら警察に連絡してくれってか。バカ、だからおまえのやってることは危なっかしくて見てられねえんじゃねえか。かっこつけるのもいい加減にしろ。いいか、これから言うことをよーく耳の穴かっぽじって聞けよ。死ぬなんていうのはな、たった1発の玉で簡単に死ねちまうんだよ。ところが生き続けるってことになるとな、並大抵の我慢じゃできないことだっていっぱいあるんだよ。だからな、おまえのその捨て身の態度だけはもう絶対に止めるんだ。MORIO、人生はギャンブルなんかじゃないんだぞ。」