チャーリーはこういう追い詰まられた状況になると 決まって、頼りになることを言い出すのでした。
 「最悪の場合って?」
 「MADISONがジェザの客の名前を新聞とか警察にばらすとか、ほかの組織の人間に丸め込まれたとか、まあ、そう言ったところだな。」
 「じゃあ、僕はそんなんじゃないからすぐにジェザに連絡して心配無いって言ってくれよ。」
 「ばか、おまえのことなんか“はな”からあいつは相手にしてねえんだよ。問題はジャンキーの姉ちゃんの方に決まってるだろうが。女って言うのはな、ほかに男が出来ると何もかも変わっちまうんだよ。
 ジェザの野郎もその辺のことを一番心配してるんじゃねえかな。」

 「だから言ってるじゃないか。僕もMADISONも組織だとか、お得意さんなんかにはこれっぽっちも興味なんか持ってないんだよ。ただ、2人でもうそんな世界とは関係無く、静かに暮らしたいだけなんだから。」
 「じゃあ何か?おまえオレにジェザとの橋渡しをしろって言うのか?」
 「申し訳ない。そう言うことなんだ。頼むよチャーリー、一生のお願いだよ。」
 カフェを出て見上げると場違いな青空がビルの谷間の向こうに広がっていました。
  時計を見るとまだ7時前を指していました。結局、しぶしぶチャーリーはジェザに連絡を取ってみると約束してくれたのですが、僕もチャーリーのアドバイスに従って体力を温存しておこうと思いました。 そしてとりあえず目覚めたら一番に不動産屋に連絡を取って、テラスハウスの中を見せてもらうところから仕切り直してみようと思ったのでした。

つづく

   


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