考えてみれば、僕にはキャシーズで働く仲間以外に、こっちでは知り合いも友達もいませんでした。
夜明けの街を一人歩いてバチェラーに帰ってから、シャワーを浴びてふとんに入り、昼過ぎに閉め切ったカーテンの部屋の中で目覚める。遅い朝食をひとりですませ近くの公園に行き、ついでにウールワースで買い物をしたりしていると、もう夕方になってしまい、またキャシーズに戻って仕事をするという日々が、当たり前のように繰り返されていきました。
夢中で働いていた始めの半年の間は気づかなかったのですが、言葉にも慣れてきて少し余裕のようなものも出てくると、
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まわりを眺めたり自分のことを考え始めたりするようになりました。
このままじゃ、せっかくオーストラリアに来たのにただ、お店とバチェラーの間を往復するだけで終わってしまうのではないか、と心配になってもきていました。
そこで、週末時間がある時にワーキングホリデーの人達が集まっているらしいナイトクラブやお店に顔を出してみることにしました。でも、結果はうまくいきませんでした。
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